皆で映画を観る楽しさ 「久が原名画を観る会」会長 石原 節
2007年12月掲載
私は幼い時から祖父に連れられて、よく映画を観に行きました。当時の映画は、まだ白黒で時代劇の様なものが多かったと思います。
戦争中は群馬県の田舎に疎開していましたが、夏休みに皆で一日がかりで、隣の町の映画館に歩いて行って楽しい一日をすごしました、そのとき観た黒澤監督の「姿三四郎」のシーンは今でも印象に残っています。
ラジオが唯一の娯楽だった時代に、村に毎日やってきた紙芝居は、子供たちにとって夏休みの大きな楽しみでした。ですから映画は最高の贅沢で、年に何回か観られれば良いほうでした。 戦後は学校でもよく映画会があり、アメリカの西部劇は皆でよく観にいきました。ジョン・ウェインの「駅馬車」やクラーク・ゲーブルの「風と共に去りぬ」などは今見ても感動するでしょう。
最近わかったのですが、今の人たちは映画をわざわざ映画館に行かないでDVDやビデオを観ているようですね。東西の名画が、好きな時に茶の間で観られる時代になったのです。これはとても良いことだと思います。
しかし、映画は一人で観るのも楽しいですが、皆で観てその感想を話し合うと、もっと楽しいのではないでしょうか。そんな動機から、プロジェクターを借りて久が原図書館の多目的室で、小さな映画会をやることにしました。
最初に上映したのはドキュメンタリー風の「日本国憲法」でした。観た人からぜひ、続けてやってほしい、という声があり、その後山本薩夫監督の「戦争と人間」、チャップリンの「独裁者」、「モダンタイムス」、木下恵介監督の「野菊の如き君なりき」「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾年月」など、毎月一回、東西の名画を鑑賞してきました。
次回は十二月九日(日)、神山征二郎監督の、数多い江戸時代の農民一揆のうち代表的な一揆を描いた「郡上一揆」を上映する予定です。
映画好きの方、「久が原名画を観る会」に参加し、映画について語り合いませんか。
連絡先 〇九〇(五三九五)七九八五 石原
●石原 節 (いしはら たかし)
久が原在住