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身体がよろこぶ太極拳   K ・ T                

2010年6月掲載  

 

 下丸子の文化施設「下丸子区民プラザ」では、油絵、社交ダンス、着付けなど様々な教室が行われています。その一つが楊名時太極拳の教室「太極拳大田」です。通常月に三回土曜日の午前十時から十二時までプラザの小ホールかリハーサル室で開かれています。教えて下さるのは、楊名時先生高弟のお一人土井てる子先生です。
 漱石のお孫さんの夏目房乃介が「週一回太極拳の教室に通っている。面白くて気持ち良い。身体がよろこぶのだ」と書いています。夏目さんの通う教室は、武術に近い流派のもののようですが、楊名時先生の太極拳はもっぱら健康法です。「いろいろやって見たが、身体をうまく動かせるようにするには、太極拳が一番良い」と言う方も居られます。先ず転倒防止に良いのではないでしょうか。
 毎回十時から「練功の前段」という準備体操をした後、「前後のスワイソウ」(スワイの漢字は電の字から上の雨冠を取ったようなもので、稲妻という意味、ソウは手です)という、曲げた腕を上から電光のように振り下ろす運動数十回で始まります。その後立禅、回転のスワイソウ、ゆっくりした呼吸と動きの「養生法八段錦」のうちの六動作と続き、「通し稽古」となって太極拳の二十四の動作を連続して行ないます。これで五十分、お稽古の前半です。後半も、部分稽古が中心になりますが、基本的に同じです。時間があれば「練功後段」の体操もやって終わります。
 太極拳の良いところは、入り易く、続け易いことです。初心者は真ん中あたりに居て、先生の、そして周りの先輩たちの、動きを真似していれば良いのです。大体がゆっくりした動作で、きついものではありません。その上飽きることもないし、達成感もあります。希望すれば初伝、中伝、奥伝、指導員、準師範と進めます。
 夏目房之介は、太極拳の特徴を「ゆっくりしているが、複雑な連続動作をこなすためには、緊張と集中が必要だ。同時に心身がゆったりしていなければ気持良くないし、動きがしなやかにならない」と言っています。
 「太極拳の本当の良さは十年もやっていると分かる」と言う先輩も居ました。私自身は定年で仕事が無くなり、ゴルフもせず家で「ゴロ臥」していたところ、家内がこの教室を探してくれ、始めてから五年程度です。参加しているだけなので、まだ二十四式を覚え切れていません。しかし、大変楽しいですから、是非活用されるようお勧めします。

 

● K ・ T(ペンネーム)  南久が原在住
※太極拳大田 連絡先(3763)7408 事務局長 水野ミチ子さん

 

 

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