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「こんなまちに暮らしたい!」を「花とみどり」でカタチにする
 NPO法人大田・花とみどりのまちづくり    牧野ふみよ

2011年2月掲載  

 

 大田区に暮らすようになってもうすぐ20年になります。最初はあまり地域になじめず、仕事も遊びもボランティア活動さえも、区外に出かけていました。そんな私が地元での園芸ボランティア活動をはじめたのは、今から八年ほど前のこと。
 ひょんなきっかけから、大田区内でのNPO法人の立ち上げに関わり、JR蒲田、大森、東急下丸子駅前の花壇やプランターに花を植えて、水やりや手入れを継続して行う活動を始めました。区外での活動では、作業のために出かけた時にしかその風景に触れることができないのですが、地元での活動は、作業がない時でも駅前を通るたびに、自分たちの活動の成果を身近に見ることができる、ということを実感して、地域での活動にやりがいを感じるようになりました。
 活動を始める前に下見をした時、駅前の花壇は空き缶やたばこの吸い殻などのゴミがとても多く、正直なところ「こんな場所を手入れするの?」と思ったほどでしたが、私たちが週に二回の手入れを続けるうちに、ゴミが少しずつ減ってきたように感じています。メンバーは花好きが多く、自分たちが普段の生活で通る駅前を自分たちの手できれいにできるのは嬉しい!という気持ちで活動していますので、
きっとその思いが道行く人たちにも伝わるのだと信じています。
 さらには、そうした公共の空間に愛着を持って関わるために、植える花の苗を自分たちの手で育てる、ということにも力を入れています。駅前の花壇だけでなく、区内の保育園や児童館、公園等に植えられる分も含めて、春秋それぞれ一万株ほどの花苗を育てあげます。毎日の水やりもメンバーが交代で行い、元気のない花があれば手をかけ声をかけ、みなで大切に育てた苗が区内の各所に植えられます。
 花を植え、育てる活動を通して、「ゴミを減らしたい」「道行く人の心を少しでも癒したい」「子どもたちの心にも『花園』をつくることができたらいいね」と、夢はどんどん膨らみます。
 昨年からは、区民農園に関わるきっかけも得て、南馬込にある区民農園の管理のお手伝いもしています。そんなことから「食」への関心も高まり、「馬込」の地名が名前についた江戸東京野菜「馬込半白胡瓜」「馬込三寸人参」の学びにつながりました。郷土野菜を育てて食べる、という活動を通して、郷土の歴史に興味を持ったり、地域への愛着を深めたり、といった働きかけにつながる活動ができたらと勉強中です。
 活動の原点になっているのは「自分たちの暮らすまちをよりよくできたら」というとてもシンプルな思いです。私たちはその思いを「花とみどり」で表現していきます。きっと同じような思いを、さまざまなカタチで表現している方たちが、たくさんいることでしょう。今後はそんな方たちとも、思いをつなげていきたいと願っています。

 

●牧野ふみよ(まきの ふみよ)  本羽田在住

 

 

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